「中二病でも恋がしたい」OPの演出がすごい
中二病 OPの演出がすごい、という話。
このOPの特徴は、ご存知の通り画面を2分割にしているところで、この画面分割にどういう意味があるのか、という点について考察をしてみる。
TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』 OP [ChuNiByo Demo Koi ga Shitai!]
エンターテイメント性
画面が激しく左右に切り替わり、動きがある。見ていて楽しい。音楽のテンポに合わせて切り替わるので、耳と目がシンクロして視覚と聴覚で楽しませる仕組みになっている。切り替わりで使われる2つのカットは音楽と同期していて心地よく、静と動が交互に入り交じって強弱が付いてる。
で、さらにここから、左右を同じカットにすることで強調する演出(指グルグル)や、分割された異なる2つのカットを繋げる演出(自転車二人乗り、高架下での握手)、鏡合わせにする演出(眼帯ハート型)など、画面分割を利用した遊び心のある演出が繰り広げられる。面白い。
境界線
画面が分割されることによって、左右の画面の間に「境界線」が生じる。本作のテーマである「不可視境界線」をモチーフにしているのは明らかで、そう考えると、先に挙げた「分割された異なる2つのカットを繋げる演出(自転車二人乗り、高架下での握手)」は、六花と裕太との関係性を暗示していることがわかる。境界線で分割されてはいるが、同時に二人の繋がりも連想させている。
スタッフクレジット
物語中盤(4〜5話頃?)から、画面の左右切り替えが少ないバージョンが放映されている。これがすごい。
画面が左右切り替わっていないのに、視点が左右に移動してしまう。これまでのOPが中毒的であるがゆえ、歌に合わせて左右を交互に見るという反射運動を身につけてしまっている。この状態で切り替えが少ないバージョンを見るとどうなるかというと、スタッフクレジットがある白い方に目が行く。そう、スタッフクレジットに視線誘導されているのだ!すごい!
初期版と改訂版、2つのOPを比較してみるとよくわかる。
自転車二人乗りのカット、初期版ではクレジットが入っているが、改訂版ではクレジットが入っていない。分割演出を優先し、クレジットの方を移動させたと思われる。
そして、このときに入っていた音楽プロデューサーと音楽のクレジットは、改訂版ではスカートがぴょこぴょこしたシーンの右側に入る。初期版では分割を両方使ったインパクトのあるシーンが、スタッフクレジットに置き換わっているのは、強調よりもクレジットを優先しているためだと思われる。 高架下での握手カットも同様に、監督のクレジットが切り替えのないカットへ移動されている。
まとめ
とまあ、中二病 OPの演出がよく考えられているなあと思った次第。
エヴァQ のエンドロールでも、スタッフクレジットを強調させるような背景の演出があった。最近のTVアニメが放送最後の提クレで、イラストレーターの一枚絵だったり、本編シーンのループだったりの小ネタが入るのも、スポンサークレジットを「見せる」ための演出と言える。こういった「見せる」ための演出が、視聴者の気付かないところで結構行われているのかも。
しかし、つくづく思うんだけど、六花ちゃんがマジ天使すぎて生きるのがつらい。
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