2023年のキーボード選定
10年前にApple Wireless Keyboardを選択して以来、ずっとApple純正のUS配列キーボード(テンキー無し)を使い続けてきました。
HHKB にするか AWK で迷っている - Cat of AZ
これまで何度かマイナーチェンジされ、escキーがtouch barになったり*1、打鍵感が変わったりの進化を経て、現在に至ります*2。
最新モデルの型番は MK2A3LL/A ですが、僕は一世代前の MLA22LL/A を使っています。
選定のきっかけ
Magic Keyboardの配列にも打鍵感にも不満はないのですが、最近ちょっとした不便を覚えるようになってきました。
まず僕の使い方は少し特殊で、本体を持ち運ぶときはMBP本体のキーボードを使いますが、作業デスクでディスプレイ出力を使うときは、右手にMBP本体、左手にMagic Keyboard*3、中央にディスプレイを置いてキーボードを2枚使って疑似分割キーボードにしています。
それ以外は普通で、ポインタの操作は本体のトラックパッド、日本語入力はGoogle IME、IMEの切り替えはKarabinerで左右のCommandキーを割り当てています*4。
このような状況で感じる不便は3つあります。
- キーボード1枚を両手で使っていて、たまに入力が遅延する。ソフトウェア*5でキーマップしているため?
- 疑似分割しているとき、左手のMagic Keyboardの入力が頻繁に遅延する。Bluetooth接続なのでラグがあるのは仕方ない
- (特にキーボード1枚を両手で使っているときに)手首が疲れる。姿勢が悪くなってきたため?
この3つの不満を解消するため、新しいキーボードの検討をはじめました。
顧客が本当に必要だったものについて考える
ここでの顧客とは、キーボードを使う自分自身です。キーボード選びとは、自己と向き合うことから始まるのです。
僕の場合は主に次のような要件があります。
- US配列*6
- スペースキーの左右にcommandキー *7
- 左右のcommandキーが左右の親指で押しやすい *8
- 腕を左右に広げて使える*9
- ハードウェアレベルのキーマップ
- 十字キーがついている
- Bluetooth接続
ざっくりですが、上にある方が優先度が高いです。
レイアウトに関しては他にも、bキーを左右どっちの手でタイプしているか?右のシフトキーはいつ使っているか?など、 普段ほぼ無意識で行っている所作も見直してみると発見がありました。
進捗
良さそうな候補がいくつか見つかりました。
MD600 Alpha BT RGB
MD600 Alpha BT RGB Black(Transparent) | Mistel Keyboard
MISTELのBAROCCO MD770はスペースキーの幅が広すぎるのが惜しいなぁと思っていたところ、MD600 Alpha BT RGBでは解消されています。
ただこのMD600 Alpha BT RGB、去年の6月にKickstaterでクラウドファンディングされていますが32人しか支援者がおらずプロジェクトが成立してないようです。
公式の製品ラインナップには並んでいるものの*10、Kickstaterとは仕様が異なる*11ようで、詳細不明です。
Ultimate Hacking Keyboard
Ultimate Hacking Keyboard – The keyboard. For professionals.
豊富なアタッチメントを備える分割キーボードとして名前は聞いたことがあったのですが、改めてスペックを見ると自分の求める要件を多く満たしていました*12。
Keychron Q10
Keychron Q10 (Alice レイアウト) QMK カスタムメカニカルキーボード(US ANSI 配列) – Keychron Japan
分割キーボードではないですが、MD600 Alpha BT RGBと同様のAlice配列でレイアウトには不満がなく、ただしBluetooth接続には未対応です。
選定してみてわかったこと
完成品の他、キーボードの組み立てキットも視野に入れて選定しましたが、キーボード全般に対して次のような気付きがありました。
- 理想を追い求めるとどこまでいっても際限がなく、理想を全てを叶えるキーボードは金を積んでも買えない
- 理想のキーボードは自分で作るしかなく、そのための自作キーボードのノウハウは結構整っている
- Bluetooth接続は需要が少ない
- Bluetooth接続対応のキーボードにおいて Magic Keyboard や HHKB の水準でバッテリー持続時間を期待してはいけない*13
僕が必要としているのは、Alice配列で、できれば分割型で、あわよくばBluetooth接続に対応しているキーボードだとわかりました。 ここまでわかっただけでも進歩がありますね。手元のキーボードは増えてはいませんが。
いやぁ、キーボードの沼は深い。