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Cat of AZ

Non Stop Thinking

ベイマックスなどの感想

2014年も残すところあと少し。振り返ってみれば、あんまりブログ書いてない。 ブログだけでなく、インターネットへのアウトプットが全体的に減ったように感じる。生活が変わって忙しかったからなのか、アウトプットしたい気持ちが減ったからなのか。

ともかく、ベイマックス見たら何か書きたい気持ちになった。 今年は何度も映画館に足を運んだような気がするので、全体的に振り返ってもみたい。

2014年に見た映画

ちゃんと覚えてないので網羅できないのだけど、以下の作品は劇場で見た。

アニメ映画が本当に増えた。アニメ以外も見た気がするけど、よく思い出せない。個別に感想を書く元気がないので割愛するけれど、どれも面白かったと思う。 劇場上映されるアニメが全て劇場版というわけではないらしく、OVAを期間限定上映しているという作品も多かったみたい。なので、それは映画じゃないと言われるとそうかもしれない。

ベイマックス(ネタバレかもしれない)

これぞアメコミといった面白さだった。面白かったんだけど、予想を超える面白さというわけではなかった。それは、ベイマックスというキャラクターに、期待以上の強い魅力を感じなかったところが大きい。

ベイマックスはSFのロボットとしては人間味や個性があんまりない。人工知能というより、プログラムっぽい。まぁフィクションなのでプログラムといってもやってることは人工知能っぽいんだけど、それでも人間味がなくて、なぜかというとベイマックスには自我がない。ベイマックスはロボットとして作り手のプログラムしたとおりにしか動かない、ヒロの健康を守るために行動する、という描写が終始徹底されている。だから人間味がないんだと思う。ベイマックスは一人のキャラクターというよりも、主人公の兄・タダシの遺品であり、タダシの意思や魂のような印象の方が強かった。ベイマックスのカードにもタダシの名前が書かれていたし。

これは、制作サイドの工学に対するこだわりなのかもしれない。現実のロボットというのは、残念なことに、自己アップデートで自我を獲得したりはしない。それ故にSFのロボットには夢があるんだけど、現実は夢ばかりではないというか。作中では、ベイマックスの制作過程で疲労するタダシの描写があるんだけど、そのシーンはすごく簡単に終わってしまう。ヒロがマイクロボットの制作に打ち込むシーンも早送りであっという間に終わる。 出来上がった完全なものしか見せない、作り手の苦労は見せない、という工学への美学のようなものがある。そのような美学で、ロボットはプログラムされた通りにしか動かない、と徹底したのかもしれない。

というわけで、ロボットの個性に対してかなり現実的でシビアだと感じたし、個人的にはロボットの個性にはもうちょっと夢があって欲しかったと思う。 過去作を持ちだして比較するのも失礼なのだけど、シュガー・ラッシュのような、プログラムだけど個性があって人間味のあるキャラクターの、苦悩の姿の方が感動したかな。

とはいえ、ベイマックスはロボット工学の天才・ヒロが中心の物語なので、夢物語すぎるのもよくないんだろうなぁ。

ベイマックスのマーケティングについて

自分はベイマックスというキャラクターを中心に見てしまったんだけれども、原題は「BIG HERO 6」であり、ベイマックスと理系オタク5人の6人組ヒーローのお話なんですよね。 それでいて日本ではふわもふ系感動ストーリーとして宣伝されていて、Twitterでは非難するRTもよく見かける。

だけど、個人的にはあんまり的を外した宣伝とは思えなくて、ストーリーは理系オタクがヒーローになって戦う話なんだけど、ベイマックスには兄を失ったヒロを癒やすという目的があるし、その目的は物語の最後まで貫かれている。キャッチコピーの「泣きたいときは、泣いてもいいんですよ」や「あなたの心とカラダを守ります」はずっとベイマックスの根底に流れている。というわけで、あの宣伝の打ち方は正しいんじゃないの派です。劇場の子供たちが、日常シーンでのベイマックスとの掛け合いに大笑いしてたし。

あとタイトルも原題の「BIG HERO 6」より「ベイマックス」の方が簡潔で良い気がする。またシュガー・ラッシュを持ちだすけれど、原題の「Wreck-It Ralph」よりも「シュガー・ラッシュ」の方がわかりやすくてよかった。

シュガー・ラッシュ

作中に日本文化が多く出てきた点でもシュガー・ラッシュを彷彿とさせたし、ベイマックスのラストシーンはすごくシュガー・ラッシュっぽかった。ベイマックスが親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいく的なシーンは涙無しには見られなかった。

SFの話

2014年はSFがだんだん身近な存在になってきたと実感した。「楽園追放」のようなガチSFもあれば、「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」では原理とか理屈とかすっ飛ばしてタイムスリップしてて、それでいて世界線を飛び越えることで問題が解決したりしていて、タイムパラドックスがどこ吹く風といった感じ*1。そんな中でのアンチSFなベイマックスの個性には、新しいSFの流れを感じた。科学技術の発展に伴ったリアリティとの共存が重要になってくると思う。一方でリアリティを追求しすぎると夢がなくなりすぎるので、そういった難しさがありそう。

結び

来年もどうぞ宜しくお願いします。

*1:映画としてはBack to the Futureの流れを汲んでおり、たいへん面白かった