初めての物件探しで学習したこと
概要
春から東京で部屋を借りるために賃貸物件を探しました。初めての物件探しなので、以下の記事を参考に実践しました。
この方法の前提として、「不動産屋で無駄に消耗したくない!良い不動産屋を探そう!」という方針なんですが、不動産屋さんはどこも資格を持ったプロなんだから消耗する不動産屋さんなんてレアケースなんでしょ?って思ってました。甘かったです。
不動産契約は初めての経験なので興味があり、参考記事の手順以外にもいろいろ試したり、調べたりしました。 その過程で失敗したこと、結果として学んだことを書いていきます(一部推測も含まれます)。
特に、初めて物件探しをする人は参考にしてほしいです。
学習したこと
良い不動産屋
『良い』の定義は人によって変わってくるという話ですが、そもそも不動産屋には「仲介会社」と「管理会社」があります。
「管理会社」と「仲介会社」、どこが違う? [部屋探し・家賃] All About
物件を紹介して契約までサポートしてくれるのが仲介会社で、入居者と物件を維持・管理しているのが管理会社です。つまり、契約までお世話になるのが仲介会社で、契約してからお世話になるのが管理会社です。 物件探しでお世話になるのは仲介会社で、満足できる物件を探すために僕がした事 - 文字っぽいの。 で指している不動産屋も仲介会社のことだと思います。
良い不動産屋の基準はいろいろあると思いますが、僕は『対応が親切丁寧』以上に『誠実で信頼できる』が良い不動産屋だと定義しました(仲介会社、管理会社のどちらも)。 つまり、嘘の情報を流さず、ユーザーを混乱させず、公正な不動産屋を選ぶようにしました。
不動産業界はブラックボックスな部分が多くて、消費者から見ると不透明だと感じることも多いです。 だからこそ、信頼できる不動産屋を選んだ方が良いと考えました。
連絡手段
基本的にメールを使って連絡しました。満足できる物件を探すために僕がした事 - 文字っぽいの。 では
連絡専用のGmailアドレスを新しく作ったりもしました。
とあって、そこまでやるのは面倒では?と思って実践しませんでしたが、アドレスを新しく作った方が格段に楽だと思います。 不動産屋(仲介会社)とのやり取りが他のメールに埋もれないし、簡単に切り離せる方が気が楽になります。
今回、電話での問合せも何件かしましたが、メールアドレスと同様に、連絡用の電話番号も取得しておくと良いかもしれません。 IP電話だと簡単に取得できるのでオススメです。
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インターネットの活用
HOME'S や SUUMO を使って情報収集をしました。 インターネットの情報は古いことがほとんどで、契約する物件を探す目的ではあまり使えなかったです。 相場を確認したり、紹介された物件の条件、状態、立地を確認するときには大変便利でした。
HOME'S は路線検索を始め、全体的に操作しやすくて使いやすかったです。 ただ、実践した手順で、メールを送る仲介会社を選ぶためにHOME'Sの評価を使いましたが、評価はあまり参考になりませんでした。
SUUMOは検索条件を地域で絞り込んだときに広い範囲で結果を返すのが不便でした。
情報の信頼度
実践した手順では、仲介会社からPDFなどで物件資料を送ってもらうわけですが、資料の見やすさ以前に、情報が正確ではない場合があります。
物件資料について、仲介会社が作成している場合と、管理会社が作成している場合があると思います(同じ物件情報が、異なる仲介会社から異なる資料で送られることがある)。管理会社が作成している物件資料で、登記に使われている情報(敷地面積など)はほぼ正確だと思いますが、例えば間取り図はフォーマットがバラバラですし、部屋の畳数も誤差があると思います。物件資料はあくまで参考程度にするのが良いと思います。一応、不動産業における誇大広告は厳しく制限されているらしいのですが、どの程度なのかはわかりません。
実際にあった例として、物件資料には駅徒歩3分とある物件を、Google Mapを使ってルート検索すると徒歩7分だったことがありました。
あと、規定では徒歩1分 = 80m なわけですが、端数切り上げなので、例えば81m(駅徒歩2分)と240m(駅徒歩3分)では159メートルの差がありますが表記上は駅徒歩1分の差となります。このように誤差は生じるものなので、資料のスペックで物件を選ぶのは避けた方が良いと思います。
おとり物件
不動産業界には、実際には契約できない物件(所謂「おとり物件」)を使って、客を店舗に呼び込む方法があるそうです。
インターネットに流れている条件の良い物件は、高い確率でおとり物件だそうです。 実際に、インターネットで見つけた好条件の物件で、更新日が新しいものを何件か、個別に内覧できないか電話したのですが、どれも内覧できませんでした。 こちらから電話で空き状況を確認して内覧を設定して店頭に行っても、募集中だけどオーナーが指定する募集条件に一致しないなどと言われて*1営業活動が始まり、著しく消耗しました。内覧を行うときは、内覧物件で待ち合わせた方が無難です。
おとり物件は、疑わしくとも確認することが極めて難しく、推測の域を出ない判断しかできません。 同業者によるおとり調査(アパマンショップにおとり物件として使われたので、おとり調査をしてみた。 | 暮らしっく不動産)は、業界の実態を知る上でとても参考になると思います。 今回物件探しを行ってみた感触としては、おとり物件はどこでも行われているなと感じました。 僕は、『誠実で信頼できる』が良い不動産屋だと定義しているので、おとり物件を使う不動産屋は避けたいと思いますが、実際には避けることは難しいでしょうし、人によっては気にしない方がいいのかもしれません。
レインズ
不動産屋(仲介会社)からのメールで、気になることがありました。 「東京の物件はどの不動産でも扱えます(だから店舗で相談に乗ります)」という内容もあれば、 「インターネットには掲載されない非公開物件を用意しています(だから店舗に来てください)」という内容もあったことです。矛盾しているように思いますし、誰を信じればいいのかわかりませんでした。
レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。 指定流通機構の会員不動産会社が不動産情報を受け取ったり情報提供を行うシステムで、会員間での情報交換がリアルタイムで行われています。
東京の不動産情報はレインズによってデータベース化されているようです。 では、全ての物件がレインズに登録されているのでしょうか。
レインズに物件登録を法律上義務づけされているのは、売却依頼業者は1社のみの「専任専属媒介契約」もしくは「専任媒介契約」を締結された場合です。
一方、何社でも売却依頼ができる「一般媒介契約」の場合は、レインズに物件登録の義務はありません。もっとも、法律で積極的に登録するように、とされています。
賃貸物件においては法的義務はなく、レインズに登録されていない物件もあるとのこと。 「インターネットには掲載されない非公開物件」というのは確かに存在するようですが、では「東京の物件はどの不動産でも扱えます」というのが嘘かというと、そうとも言い切れない感じです。
なお、最近レインズに課金制が導入されることが決定し、今年の4月から開始されるようです。
課金制が導入されることで、「インターネットには掲載されない非公開物件」は増えるかもしれません。
不動産ジャパン
では「インターネットに掲載されない非公開物件」は狙うべきでしょうか。 非公開物件を狙うことで相場よりも安いお得な物件が見つかるメリットはあるかもしれませんが、他県から上京する場合はリスクが高いと思います。都内在住で安価に内覧できない限り狙わない方が無難です。
レインズに登録されている物件は、非公開物件よりも契約の透明性が高く、相場に合ったフェアな契約が期待できます。 ところが、レインズを利用するには宅地建物取引業法に規定された免許が必要で、さらに指定の団体への入会が必要となります。 そのため一般の消費者は利用できません。しかし、レインズに登録されている物件を検索できるサービスがあります。
レインズに登録されている物件は、どの不動産屋(仲介会社)でも取り扱うことができるはずです。 また、物件を登録した不動産屋の情報にもアクセスしやすく、ハトマークであることも確認しやすかったです。
ハトマークとウサギマーク
ハトマーク以外にも、ウサギマークというのがあるそうです。
知っているようで知らない!?ハトマークとウサギマークの違い | ReDocS Blog
費用
賃貸契約にあたって、どういった費用がかかるのかわからなかったので調べました。
- 賃料(月額利用料)
- 共益費と管理費(0円の場合もある)
- 総賃料(賃料、共益費、管理費を合わせた金額を毎月支払う)
- 敷金(大家に預けておくお金。退去時に追加請求や差額返金があるらしいですが、『償却』とある場合には返金はありません)
- 礼金(大家へのお礼)
- 保証金(敷金のこと。東京では基本的に0円)
- 鍵交換代(大家負担の場合もある)
- 保険料(火災保険。契約時に2年分払う)
- 保証会社契約料(連帯保証人なしで契約できる制度。加入必須の場合もある)
- 仲介手数料(仲介会社に支払う。最大で賃料の1ヶ月分)
- 更新料(契約期間を延長するときに払う)
総賃料が一番重要ですが、物件資料を見ながら各費用の相場も気にしておくと物件を決める段階で判断の助けになると思います。
良い不動産屋(仲介会社)の判断方法
送ってくる物件資料の情報が正確な不動産屋は『誠実で信頼できる』と判断しました。
HOME'S や SUUMO などの物件情報サイトとは別に、不動産屋のWebサイトが物件検索を提供していることがあり、検索の使いやすさ、情報の多さ、見やすさなどに差があります。ここでも特に、情報が正確である不動産屋には、良い印象を受けました。
あと、今回物件を決めたあとに、やりとりした不動産屋に報告とお礼のメールを送りましたが、1通だけ丁寧な返信がありました。 その不動産屋は、これまでのやり取りで良い印象のある不動産屋でした。
良い物件、良い管理会社、良い大家
ここまでは仲介会社について書きましたが、物件探しを行う中で、良い物件を選ぶということは良い管理会社を選ぶということで、それらは良い大家さんを選ぶことに繋がるのではないかと思いました。 これについてはまだ何も経験していないのでわからないのですが、今回は以下の点で判断しました。
- 管理会社が作成したと思われる物件資料がわかりやすく、記載されている情報が正確であること
- 総賃料以外の各費用が自分の感覚と照らし合わせて妥当であること(敷金礼金が安すぎず、鍵交換代と保証会社契約料が高すぎない)
契約後、入居から退去まで長らくお世話になるわけですから、管理会社や大家さんとはトラブルがなく、良い関係を築きたいものです。
良い内覧
良い物件を選ぶためには、良い内覧を行うことが大切だと思います。一応、以下の資料を参考にしました。
地図・コンパス・メジャーは必須です。地図はスマホで事足りますが、今回はコンパスとメジャーを忘れてしまい、状態を確認しながらとにかく写真を撮りまくるだけになりました。 写真はパノラマ写真を撮っておくと良いと思います。普通のサイズで結構な枚数を撮りましたが、あとから足りないと感じました。
部屋の大きさはメジャーで測定しておく方が良いです。物件資料を貰っていたので確認を怠ったのですが、実測しなかったことを後から後悔しました。(おかげで内覧時間は短縮できましたが、気になる物件だけでも測定しておくことをおすすめします。)
僕の場合、内覧物件を決めて内覧の予定を立てたのですが、内覧日になると内覧予定の物件にほとんど申込が入っており、あまり意味がありませんでした。内覧物件を決めるのは内覧日の直前で良かったなと思います。 また、内覧日当日には不動産屋が空き状況を確認しながら物件を紹介してくれましたが、希望の条件を満たしているか素早く正確に判断できるよう、相場感覚を養っておくことが大切だと思いました。
ちなみに、不動産屋は水曜定休日なところが多く、小さな不動産屋は土日祝定休日なところも多いようです。当日に内覧をお願いする物件は、管理会社が営業していなければならないので、これらの曜日を避けて内覧すると良いかもしれません。
まとめ
満足できる物件と出会えるよう頑張ってください。
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*1:この理由だとインターネット上におとり物件を残し続けることができますね